誰にもあげない。私だけのお兄ちゃん♡

私は女の腕を掴み、爪を立てた。

「メルちゃん…?」

「気安く呼んでんじゃねえよブス!てゆかさ、これ、あんたがやったんでしょ?」

「え…な、なんでそんな…」

「あーあ、あんたが来る前は平和だったのに…超最悪!金目当てかなんか知らないけどさ、安心してよね。お金の隠し場所は変えるから!」

そう言って私は両親の位牌の近くに隠していた我が家の通帳と現金を集めた。

「私はお金を盗ったりしない!リレンと同居を始めたのもリレンのことが好きだからで…」

「あー、はいはい。私の大事なお兄ちゃんをお前ごときが呼び捨てですか!でもさぁ、あんたが来てからうちがこんな事になったんだから、どっちにしろお前疫病神でしょ?」