思わず笑みがこぼれた。


こんなあたしのことでも、涼真くんは心配してくれるんだね…。


メッセージを見たら会いたくなってきちゃった。


こんなこと思っちゃダメなのかな…。


返事を返すか迷った挙句、スマホをポケットにしまって目を閉じた。


どうしていいのかわからない。


涼真くんに会いたい、けどそれでいいのかな…。


環奈ちゃんのこともあるし…。


それに、会いたいなんて自分からは絶対に言えない。


気持ちをさらけ出すのって苦手。


もう少し素直になれればなぁ…。


「寝てんのかー?」


突然隣で声がして、慌てて目を開ける。


ええっ…どうしているの?


帰ったはずの涼真くんが、なぜか戻ってきていた。


「ねっ…寝てないよ。なんでいるの?」


「心配だからに決まってるだろ。ほら電車来た、行くぞ」


強引に手を握られ、ちょうど到着した電車に一緒に乗った。