「ちょっ、歩夢……!」


「「えー!? 星本くん!?」」



おいおいおいおいおいいいい!!


恥ずかしくて死ぬし、歩夢は常識を考えろ。


まず私たちは付き合ってなどいない!



周りの王子様ファンが黄色い悲鳴を上げているではないか。


歩夢を睨みつけて、目で改めて訴えた。



「絶対に嫌だ」


「私は嫌、やめて離して。
常識という言葉も知らないの?」



納得のいかない顔をしながらもなんとか彼から解放されて、急いで距離を取る私。


しかし、歩夢が何をそんなムスッとしているのか全くわからない。



「沙也加、ちょっとおいで」


「授業あるから行きません」



歩夢と一緒だとロクなことがない。


一応今は休み時間だし、これ以上やめてほしい。