ホラー映画は確かに苦手ではないが、それは血が大量出血しないものに限る。


アニメーションや、実写でも少量ならまだ耐えられるが、実写での大量出血は無理。


つまりはグロテスクなものは無理だということだ。



幸いなことにこれは血が出ない映画だということが予告のCMやその映画に出演する俳優が公言していたため、私は見られる。


血が出ないホラー映画なら大歓迎だ。



「飲み物買う。何買う?」


「いや、パスタでお腹いっぱいだわ」


「たしかに。じゃあいらないか」



そうして私たちはホラー映画を見ることになった。



「……なんか呆気なかったね」


「ああ、15禁にしてはあまり怖くなかったな」



そう、この映画血が出ないけど怖すぎるという評判を得ている。


だが、見た後の感想は"呆気ない"の一言で終わるくらい薄っぺらい内容だった。