しかし、やはりそこはパーフェクト王子様の名も廃れてないのか、隙なんか見つからなく、次の場所へ移動となってしまった。
今度は映画を見るようだ。
「映画館?」
「そう、日頃の仕返しを含めて。ということで、これ」
歩夢が指差したのは、ホラー映画。
なるほど。気分を上げてから最大まで落とす作戦で行くのね。
※微妙に違います。
「仕返しって……私の嫌いなジャンルとか知ってるの?」
「お前、ホラー苦手だろ?
こういう奴って大抵苦手なんだよ」
「他の女子と一緒にしないでくれる?
生憎、ホラーは得意なのよ」
「ふっ、見栄っ張りか」
何を勘違いしたのか、そう言って鼻で笑う王子様。
「あなたこそ、本当は無理なんじゃないの?」
「俺はパーフェクトな王子様だからな。
苦手なものなんてない」
まあ、嘘ついてるようには見えない。
サラッと自分でパーフェクトな王子様と断言しちまったよ、いや事実なんだけれども。
そして王子様が私に言った「見栄っ張り」は半分当たってる。



