「何でそんなこと聞くの?」
「……間接キスしても何も反応しなかったじゃん」
「それは……っ」
せっかく少しの間は忘れられたのに、思い出すことになってしまった。
ふてくされたようにそう言った歩夢は、頰を赤らめた私を見て満足気な表情へと変わった。
「意識しないようにしてたのか。俺相手に無駄だな」
そしてニンマリと口角を上げた。
「うっさい」
「いちいちウブな反応すんなよ。
もう可愛いしか言えないんだけど」
もう嫌だ。
今すぐに帰りたい。
相手のペースに呑み込まれるなんて、滅多にないからこんなに恥ずかしい思いをしたのはいつぶりだろう。
その後は黙々とパスタを食べまくって、スイーツバイキングは一旦終了となった。
お昼ご飯は食べたものの、歩夢が一日中と言ってからまだまだ続くだろう。
隙を狙って帰りたいな……。



