「ほら、スイーツバイキングなんだから早く食べるわよ!」
「はは、わかった」
顔を真っ赤にしながらそう言えば、私は急いで立ち上がって、唯一食べられるフルーツタルトをたくさん食べたのだった。
「……お前、さっきからフルーツタルトしか食ってねえけど」
「悪い? 私、甘いの苦手なの」
「は? お前、それ早く言えっての……!」
やっぱり、やられっぱなしは嫌だ。
歩夢は単純でチョロい存在でいなきゃ、こっちが困るの。
「あなたの厚意を受け取らないわけにもいかないでしょ。ほら、さっさと食べる」
「……優しいんだな」
「は? 誰がよ」
「沙也加以外に誰がいるんだよ。
……惚れさせるって言ったのに、どんどん好きになっちまうじゃねーか」
もう本当にこの人は何なの?
さっきから好きとか可愛いとしか言ってないと思うのは私だけ?
私にどんな反応を求めてるのよ……。



