「確かに、お前はドSだし人の嫌がる顔を見るのが趣味とかいう腹黒だけど」
「否定しないけど、それ悪口よ」
「だけど、笑うと……可愛いし。
俺を受け入れてくれたり、ちゃんとお礼とか言える人って知ったら悪いやつじゃないなって」
歩夢は戸惑う私を見て、また優しく微笑む。
それにまた心臓がうるさくなって、どうすればいいのかわからず、俯いてしまう。
「あと、意外に顔に出るところも可愛い。
小鳥遊にああ言ってくれて、俺はお前に惚れた」
「あ、そう……」
「照れてんの? かーわい」
「可愛い言い過ぎ! 私は可愛くなんか……」
私は照れた顔を出さないように、いつもより鋭く王子様を睨む。
「その顔、何?」
「何って、睨んでるだけだけど」
「それ睨んでるの? ……破壊力やべえな」
破壊力……一体何のことかさっぱりだ。



