「歩夢いた! こんな所で何してんだ……って、志村さん!?」


「え……」



すると後ろから歩夢を呼ぶ声が聞こえた。


振り返れば知らない顔で、頭を捻っても名前が浮かんでこない。


……私のことを知ってる? どうして?



「渉、沙也加のこと知ってるの?」


「歩夢が女子のことを名前で呼んでる……!
え、なになに、沙也加ちゃんって歩夢の彼女!?」



どうやら質問に答えるよりも、歩夢の女子事情が気になるようだ。


この人は……歩夢の友達?


歩夢は表の性格で対応している……それもそっか誰にも言ってないんだっけ。



「彼女じゃな「未来の彼女、っていうところかな」


「「は?」」



私が否定しようとしたら、歩夢が遮った。


そして、彼の友人だと思われる渉くんと声が重なった。



あまりにも突然の衝撃に感情が追いつかなく、何が起きたかわからない故に時間が欲しい。