「ねえ、小鳥遊さん。
節度持ってほしいって。ファンクラブか自分、どっち優先する?」
人間は私を含んで皆利己的だ。
自分を優先にする生き物なのだ。
「……ファンクラブは解散させます」
「賢明な判断だね」
完璧だと名乗った人が、留年候補になるほどの頭の悪い人だと知るとどうなるか。
流石に身をもって理解したようだ。
とはいえ、こんな会話をしたらもうひとりの再テストの人は、小鳥遊さんだとわかってしまうだろう。
取り巻きの女子たちは皆、小鳥遊さんを見て絶句と呆れの両方を取れる表情を浮かべていた。
「……行くわよ」
最初の高慢な態度が想像できないくらい、ファンクラブの方々は身を縮こませながら去っていった。



