「私理数系科目悪すぎて、再テストになったのは知ってるわよね?」


「まあ、有名なことですからね……」



会長は私の言いたいことがわかったのか、そう返した後徐々に青ざめていった。


王子様は何のことかわからずに首を傾げる。



「あれ、私だけだと思ったんだけど……私だけじゃなかったみたいなんだよね」


「あ、そうなんだ」



王子様は興味を持ったようだ。対する会長はもうこれ以上話すなと表情で訴えている。



「それよりあなたには一刻も早く今後一切、王子様に近づかないことを頷いて頂かないと困るんですよ」



会長は王子様が目の前にいるのにも関わらず、本題に戻したようだ。


よほどの焦りだろう。



「私はファンクラブが消えないと困るってわけね。
じゃあ、最終手段を使ってやりますか」


「あなた……! それはつまり!」



意図が通じて助かるよ会長さん。


悪いとは思わないでよね、王子様と関わるよりもファンクラブの存在の方が面倒に思ってるんだから。