「ねえ、歩夢。小鳥遊さんってこの学年でひとりだけだよね?」
「え? ああ、多分ひとりしかいないと思うよ?
な、そうだよな?」
「あっはい!」
王子様に投げかけられ、嬉しそうに声を弾ませて答える会長。
……じゃあ、あれは小鳥遊さんのことだったんだ。
興味ないからスルーしたけど、感謝しよう先生。
「ねえ、小鳥遊さん。あなたって完璧なんだよね?
ということは頭がいいっていうことでいいんだよね?」
「はい、そりゃあもちろんでございますわ!」
「……そう」
私の欲望か、将来か。
どちらを優先すればいいのか悩ましいところだ。
だけど将来を優先したって今更だし、
会長さんの絶望する顔見たいなあ……。
「あのね、風の噂で聞いたんだけどね」
「ん? 何のこと?」



