「言ったわよね? 星本くんと関わってもいいけど、何するかわからないよって」
「へえ、暴行的な手段だとは思わなかったよ。
会長さん、あと一歩したら犯罪じゃない?」
状況を客観的に考えることで冷静でいられるし、取り乱すことはなくなる。
だから推測できてしまった。
多分、これからリンチに遭う……! と。
「というか王子様に女子の友達とかいないの?」
私が再テストのために教えてもらっただけでこのザマだ。
きっとクッキー渡しただけでもこうやって会長さんに成敗されてるんじゃ……。
「そんなの、完璧な私だけで十分だわ!」
「え、完璧……?」
「そうよ、パーフェクトプリンスに相応しいのはパーフェクトなプリンセス!
そんなの私以外に誰がいるっていうの?」
場の空気が一気に変わった。
取り巻きの女子ですら、少し引き気味なのではないのか。
顔は見れないけど斜め上を見上げれば、雰囲気で伝わってくる。