「……そりゃ単位かかってるし、頑張らないと」
「できなかったところはちょっとした応用だから、この調子ならきっとテストはどうにかなるよ」
「本当?」
「ああ、テストっつってもあれだろ?
単位貰うためなら簡単にしてくれるはずだろ?」
「そうだったらいいけど……」
私はそれでも不安は拭えなかった。
いつもの私らしくない。
不安とかあったとしても顔に出さないのに、こいつの前だとどこか気を緩んでしまう。
「……」
「な、何よ」
先ほどから王子様はジッと私の顔を見つめている。
綺麗な顔に覗き込まれてるって、こんなにも心臓が悪くなるものなの……っ?
「なんかお前らしくねーなって」
「!」
王子様に見抜かれた。
それほど私は青白い顔なんだろうか。