「ファンクラブの習わしを知らないというの!?」


「習わし……?」



会長だという元クラスメイトはそんなことを言う。


ファンクラブに入ってないから、そんなの知るわけない。



そもそもファンクラブね……歩夢はどう思ってるんだろう。


表向きだったらファンのことを肯定的に見てると思うけど、裏という本心があるからわからない。



「星本くんはみんなの王子様なの!
誰とも付き合ってはいけないんですよ!」


「は……?」



「星本歩夢くんファンクラブなら当たり前のことです!」と取り巻き女子のメガネが誇らしげに言い放った。


誰とも付き合ってはいけない、ね……。



「もし私と歩夢が付き合ってたら、あなた達はどうするつもりなの?」


「な! 今星本くんのことを……!」



こういうプライド高そうなファンクラブ会長さんはきっとまともに歩夢に近づけてないんだろう。


だったらその人よりも私が勝ってると示せば、少なくとも何かしら反応をする。



徐々に追い詰めていこうじゃないの。