それは事実だ。
教室で公開処刑をされるのは中学からなので、個人情報保護法とかと返す気力も失ってしまった。
「別にあなたが言ったみたいに"秘密にするほど"のことではないので弱点とは言えないわ」
「ちっ」
更に追い討ちをかけると、王子様とは到底思えない舌打ちをされてしまった。
最近は裏モードの王子様しか見てないから、すっかり慣れてしまった。
逆に普段演じる表の王子様の方を見ると、嫌気がさしたのはそういうことだったわけだ。
「とはいえ、単位がかかってるのは本当よ。
本当に理数系が苦手だから教えてほしいの」
「……なんか意外だな。
頭の回転速いから、勉強はそつなくこなせると思ってた」
「先生にも言われたわ」
立っていた王子様は私の隣の席に座って「じゃあ、始めるか」と個人授業を開始した。



