「じゃあ、早速教えようか?」
「……お願いします」
爽やかにそう言われ、断るわけにもいかない。
……王子様のこのキャラ、嫌だ、虫唾が走るんだけど、やめてほしい。
空き教室でやろうと決めてから職員室から出た私たちは、早速みっちり特訓だ。
「おい」
空き教室に入るなり、裏モードに入る王子様。
私は「何?」と短く返して空席に適当に座った。
「お前って弱点ないって言ったのにな」
「……」
何を言いだすかと思いきや、ニヤニヤしながら嬉しそうだ。
そうくると予想できた。
「別に隠してたわけじゃない。クラスメイトなら知ってることだし」
「ぼっちのクセに?」
「担任に毎度のこと"少しは頑張らないの?"って言われてるから知ってると思う」



