「星本、悪いんだけど1週間の間だけでいいんだ。
志村の理数系科目の面倒を見て欲しいんだ!」
「え、今頼むの?
流石に都合っていうものがあるんじゃ?」
「お前はそんなこと言える余裕があるのか?」
「……ないです」
言い返せないのがこんなにも悔しいだなんて。
王子様も鼻で笑うのを堪えてる顔だ。
爽やかに微笑んでるけど、絶対に「お前の弱点、理数系か」って馬鹿にしてるよ。
「星本、頼めるか?」
「はい、もちろんです」
「良かったな志村、星本みたいな優しい奴がいて!
というわけで、再テストは来週の放課後だ」
頼んだぞ、という言葉とともに職員室から出て行ってしまった。
一体なぜ職員室から出て行ったのか……。
これは話は終わったと捉えてもいいんだな?



