「……」
気になった私は後ろを振り向いた。
だけど、あまりに予想外……いやベタな展開なもんだから唖然としてしまった。
「なっ、おま……ん゙ん゙、君は確か志村さんだったかな」
「ああ…………うん」
徹底してるんじゃなかったの?
最初、完全に素の声だったよね。
引き気味に頷くも、偽りのキャラを演じる王子様にある意味で感心しかない。
「面識はないのか。まあ、この際仲良くなるといい」
「「……」」
面識思いっきりあるとは言えない。
だって私たちって……。
いや、待って、どんな関係なの私たち。
王子様の弱みを握ってるだけ……なんて、先生の前で言ってもいいけど、王子様を社会的に死なすことはしたくないし。



