王子様の弱みを握っただけなのに。



少しだけ遅れるだけだよね?


すぐやって来ると心で言い聞かせながら待っていても、歩夢は一向にやって来なかった。



「……もう20分過ぎてる」



歩夢の性格上、待ち合わせに遅れるなんてことは絶対にない。


何かあったんだろうか。


心配になった私は歩夢を探しに、ショッピングモールを歩き回った。



こうなるんだったら連絡先でも交換しとけばよかった。


歩夢と知り合って半年はすぎるのに、未だに連絡先を交換していない。


ただの知り合いならまだしも、知り合いより濃い関係の私たちだから不思議な話だ。



「本当にどこ行ったの……」



4階だてのショッピングモールのうち、一階と二階を探したが見つけられない。


いっそ迷子センターでも行って放送させてやろうか。


いい歳した高校生が迷子のお知らせされたら、周りはギョッとするでしょうね。



「はぁ、はぁ……あれ、沙也加いない」



しかし、私が離れた直後に歩夢が来ていたのだった。