仮にも好きな人とのデートだ。


前回のデートは手を抜いた服装だったけど、今回はちゃんと可愛いと思って欲しくてメイクまでしたんだ。


ちゃんと成功してやるんだから。



「おー待ったか？」


「ううん、さっき来たとこ」



良かった、前回は歩夢が先に着いてたから。


待ち合わせ時刻から３０分前にも関わらず、もう私たちは集まっていた。


今日の歩夢はお世辞抜きでとてもカッコいい。


赤のニットに黒のズボン、アウターにはネイビーのロング丈のチェスターコート。


周囲の女子たちが歩夢を食い入るように見るなり、頰を赤らめている。



「どこ行くの？」


「そんな大したことは計画してないよ」



他愛ないことを話しながら着いた場所は大きなショッピングモール。



「今から1時間の時間を与えます。
プレゼント交換をしたいの」



フロアを歩く足を止めて、私は歩夢の顔を見ながら提案をする。