「歩夢、ありがと……っ!?」



お礼を言おうとしたら、再びギュッと抱きしめられる。


いつもよりキツく抱きしめるため、心臓の心拍数も更に上がるように感じた。



「で?どうだったテスト」


「この体勢で聞く?」


「んー。気分」



少し力を抜いて、私の頭を撫で始める。


それが落ち着くとかは決して思ったりはしないけれど、私はしばらくそのままじっとしていた。



「赤点の心配はないよ。クリスマス楽しみにしてなさいよ」


「はいはい、わかったわかった。楽しみにしてるよ」



まるで子どもをあやすような言い方。


歩夢は私の想いを見抜いているかもしれない。



すると、歩夢は撫でる手を止めてしまう。



「……歩夢?」


「寂しいの?」


「違う」



ムキになって返す私の頭に突然、柔らかいものが触れた。



「……っ、今何して」


「内緒」



極上に甘くなった歩夢にどんな顔をすればいいのか分からず、私はただ顔を赤くするしかなかった。