中学を思い出して……いいや。


この人は喜ぶんだ、悲しい顔をするわけではない。



「……じゃあ、やるから」


「もちろん良いですとも! どうぞどうぞ!」



頭は流石に無理なので、背中にそっと足を乗せようとしたその時。



「沙也加! って何してるんだ?」


「歩夢……」



息を切らしながら声の主はこちらへやって来る。


もしかして探してくれてた……?


というか、側から見たらこの状況、かなり誤解させてしまうんじゃ……。



「あの、これは……」


「いや分かってる」



歩夢は私を安心させるように笑えば、土下座している男子に呼びかける。



「お前、ずっと前から沙也加で妄想してるっていう噂聞いてたんだよな」


「星本! 貴様のせいで沙也加ちゃんが毒舌じゃ無くなっちまったじゃねーか!」