「ってなわけで、教科書貸して」
「え? 今から勉強すんの?」
「そうしねーとクリスマス潰れるだろ。
せっかくお前が計画してるのがパーになったら終わりだろ」
歩夢も楽しみにしてくれてるのかな。
だとしたら嬉しいや。
「……ありがとう」
「……っ、さっさとやるぞ」
「うん、わかった」
照れてる歩夢を見て不覚にも可愛いと思ってしまう。
本当、カッコいいというのはズルイよね。
いちいちドキドキさせるんだから。
そうして取り組んだ勉強。
私がお礼をしなきゃいけない日なのに、逆にまたお世話になってしまった。
「ここまでできたら赤点はないだろ。
後は復習したら絶対大丈夫だ」
日が暮れる頃には数学の基礎は頭に大体入ることができて、やはり歩夢はすごい人だと改めて実感した。



