じろじろと辺りを見回す歩夢を見て、どこか緊張してしまう。
これ、よくよく考えたらふたりきりだ。
「なあ、沙也加」
「ひゃい!」
「声裏返ってんの? 緊張してるんだ?」
「そんなのしてない! で、なんなのよ」
クスクスと笑う歩夢に、色んな感情が芽生えて頰に熱を持ち始めた。
「……調子はどうだ?」
「ん? 至って元気な健康体だけど……」
「そうじゃなくて、テスト」
そっちかい。
ああ、せっかく忘れてたのに思い出させないでくれよ。
「調子良いと思うの?」
「いや、全く思わない」
今回も変わらず絶望的だ。
しかもクリスマスまで絡んでいるので、どうにかしないといけないのだ。