「……ええ」
私は自己嫌悪に陥りながらも、歩夢の後を追った。
靴を履き替えて、見慣れた通学路を歩いてく私たち。
だけど、どこか街並みが変わりつつあるのは気のせいだろうか。
「そろそろクリスマスだな」
「ああ、そういえばそんな時期だったわね」
だからか、赤や緑を中心にしたリースの飾り物。
イルミネーションのライトがあるのは。
「お前忘れてたのか……」
だってサンタさんだって正体が分かってしまったわけだし、今更何に期待しろというのよ。
頭から飛んでいくに決まっているわ。
「それはいいとして……クリスマス、どっか行かねえ?」
「え?」
「前回のリベンジだ。今度はお前を喜ばせる」
前回もなんだかんだで楽しかったけど、黙っておこう。
そっか、これはデートのお誘いで……ってデート!?
クリスマスデートということか、不覚にも楽しみで心が踊り始めたわ。



