「本当に?」
「なんでそんなに疑ってるのよ」
「世間話だけならなんでテンパってるんだろーなって思っただけ」
バレてる……!
だけど、今好きって言うのか?
いや待てよ、王子様に告白するならもう少しムードが良いところがいいはず。
「……気にくわねえな」
何も言えずにいる私に、歩夢はポツリと呟いた。
聞き返そうと何か言おうとしたら、突然歩夢が近づいたかと思えば
「俺以外、全部忘れろよ」
色気たっぷりの声で耳元で囁いてきた。
「あの、歩夢……?」
「俺以外の奴にそんな顔するの嫌なんだけど」
そんな顔って一体、どんな顔?
俺以外……ということは、さっき話したのは中家くんだし、中家くんに変な顔でもしたのかな。



