そういうことなら安心だわ……。
それよりも、悩みの解決策を聞かないと。
「あの、結局どうすればいいと思う?」
「うーん、言いたくなった時でいいと思うよ」
「いつ来るかわからないっていう場合は……」
「気長に待つ、かな。だけど自然と来ると思うよ」
言いたくなった時か……それが言えたら苦労しないのだが。
素直じゃない性格だから、言いたいことがあっても言えずに終わる未来が想像できる。
けど、中家くんがそういうなら気長に待つしかないのかな。
「ありがとう中家くん」
「いーえ、また何かあったら言ってね」
「ええ、そうするわ」
話が終わって軽い会釈を済ませたら、私は中家くんと別れて教室へと歩き出した。
「あ、沙也加」
声の正体が歩夢だと分かった私の心臓がドキッと音を立てた。



