「ところで志村さん」
「うん?」
「歩夢のこと、好きになってたりする?」
「……え」
「その反応は当たりかな」
ちょ、ちょっと待った……!
どうして分かったの!?
まさかのことに思わずあたふたしてしまう。
「ふふ、歩夢のことになればこんな表情もするんだね」
「好きなだけ笑いなさいよ……」
だけど、私は悩んでいるのだ。
あのことを……いや考えなくても分かるけど。
「で? 歩夢とは付き合うんでしょ?」
「あ、それは……」
悩み事を打ち明けようとするが、そんな簡単に話せることではないので躊躇ってしまう。
だけど、歩夢には言えない悩みで。
だとすれば悩みを言える相手は中家くんぐらいしか思い浮かばない訳で。
私はたどたどしくなりつつも、悩みを話したのだった。