女子の告白をうざったりいと思っている冷酷野郎。


イケメンを自覚しているナルシスト。


私を無理矢理パシリにさせようとした暴君。


いちいち根に持つ心の狭い奴。



悪いところなんていくらでもあったのに、いつからだっただろう。



「沙也加!」


「……歩夢っ」



私を見つけたら一直線に走ってくれて。


歩夢の天才は努力の塊だっていうことを知って。


なんだかんだで面倒見が良くて、周りのことを良く見れて。


ファンクラブ会長に絡まれた時も、歩夢を突き放した時も、歩夢は私のことを心配してくれた。


何かあったらいつでも頼ってもいいって。


本当の王子様みたいに優しくて強い人で。



いつしか歩夢の隣が居心地良いと思うようになった。