王子様の弱みを握っただけなのに。



「ネコちゃん名前なんていうの?」



やっぱり、こんなメイクしてメイドみたいな格好してたらそりゃあそうなるって。



「にゃ?」



そこも見据えた実行委員は独自のナンパ撃退を伝授してくれた。


それも……ひたすら相槌をネコ語で返すこと。



「だから名前!」


「にゃ?」


「ネコ語で話しても無駄だよ。可愛いだけだから」


「にゃ」


「なんかイラつくなこのネコ」



イラついてくれた……!


実行委員流石すぎる。



「めんどくさいことはいいんだよ。
俺たちと早く遊ぼう?」


「にゃー」



気怠く返事をすれば、ナンパ野郎は沸点に達したのか机を蹴ってきた。