王子様の弱みを握っただけなのに。



「沙也加大丈夫だったか?」


「うん……本当にありがとう」


「今日やけに素直じゃないか?
いや、それでもいいんだけどよ……」



何よ、せっかく素直に感謝してやったのに。


歩夢がいなかったら今頃どうなってたか分からない。


ストーカーが逮捕されて、私は事情聴取をされて歩夢には感謝状が贈呈された。


これでやっと恐怖から解放されるんだ……。



「怖いか?」


「怖くなんか……」



強がっても震えるので、歩夢にはバレバレ。


歩夢はそんな私に優しく目を細める。



「誰だって怖いだろ。
強がりでお母さんにも言えなかったんだろ?」


「なんでそのことを……」


「あ、やっぱりそうだった。
どんなことでもいいから何かあったら俺に言えよ。
今みたいに駆けつけるから」



それは私が心の奥底でずっと欲しがってた言葉で、歩夢のことを疑ってしまったことにひたすら申し訳ない。


それといって話は少し変わるけど、こんなにもカッコいいなんて知らないんだけど……っ。