私はそんな王子様に含み笑いを浮かべて、立証すべく、先程繰り広げた私たちの会話のビデオを再生した。



『なあ、秘密を知った以上、俺のパシリになれよ』


「どう? これであなたの立場は分かったでしょ?」



一般人が恥ずかしがるだろうセリフを最後に、私は王子に問いかけた。



「くそ、なんでビデオなんか撮ってるんだよ」



おかげで王子様は信じてくれたみたい。



「あの美少女の告白が気になっただけ」


「ほんと、嫌な奴だな」


「ふふ、どーも」


「褒めてねーし」



私も知ってる、と心で言いながらも王子様を言い負かせたことに達成感がいっぱいだった。



「っていうわけだから、逆にあんたの弱みを握っているの覚えておきなさいよ。

……あ、でも私が告白覗いたって言っていいけど、そしたらあんたの努力は水の泡になるからね。
残念でした王子様♡」


「……くそっ」



裏の性格を曝け出したくないなら、当然の対応。


私は満足して、王子の背を向けて歩き出した。