王子様の弱みを握っただけなのに。



……家から出ないようにしよう。


差出人は無かった、誰からか分からない手紙。


お母さんは不思議がるだろうけど、中身を勝手に開ける程非常識な人ではないのは承知だ。


お母さんから渡されるのを静かに待とう。



いや、待てよ。


お母さんにまで被害が出たら大変だ。


じゃあお父さんに行かせる?


駄目だ、お父さん運動不足だって前にも言ってた。



……手紙取りに行く時だけ外に出るしかないか。



そこで私はある疑問が浮かぶ。


ストーカーはいつポストに投函するんだろう。


きっと朝から昼の時間帯。


朝はお母さんが朝刊を取りに行っているから、考えられるなら私が学校に行っている間だろう。



これ以上は怖い思いをしたくない。


勇気を出して、明日ポストの前に張り込みしよう。