スマートフォンを取り出した。


ビデオをつけっぱなしにしてたから、音声が入ってるはず……!



「別にあんたのパシリになってもいいよ」


「そう言えばいいんだよ「ただし」



上機嫌な声で話す王子を遮り、私は不敵な笑みを浮かべながら王子に一歩近づいた。


不穏な空気を察したのか、王子様も私に合わせて一歩後ずさる。



「もし、私に指図をするなら、今の会話をお昼の放送で流そうかしら」


「は……?」



喜びの顔から一転、予想外のことを言われたのか、王子は顔面崩壊をなさった。



ふふ、その顔が見たかったんだよねえ。


自分の予想通りにいかずに、マヌケな顔をする王子様の顔。



「何よ、そんなに驚くこと?
別にあなたがそういうことをするなら私もするだけ。そうね……目には目を歯には歯を。ってね」


「ハンムラビ法典かよ。
ってゆーか、放送で流すってどうゆうことだよ。
嘘なんじゃねーのか?」



平静を装いながらも、おそるおそる尋ねる王子様。