小さい頃から誰かをからかうのが好きだった。


虫嫌いな人にムカデのおもちゃを見せたり、

人の物を勝手に取ったり奪ったり……まあ、ガキ大将というかいじめっ子というか、そんな人で。


先生に怒られても、友達がたくさんいたし、宿題はまじめにやってるし、思いっきり楽しんだ。



そうして中学生になってしばらくして、私はひとりの男子に告白された。


知らない人だから断ったんだけど、当時の友達はその人のことが好きらしくて、気づいたら省かれるようになった。



そして友達は敵に変わって、私は悪質ないじめに遭った。


一方的なことでとてもイラついて自暴自棄になって、ある日女子たちに水をかけられたら私も同じようにやり返した。


いじめられてからは大人しかった私だから、いきなりの豹変に女子たちはとても驚いてたな。



女子たちの虚を突かれた表情を見れたことへの歓喜と、いくらやり返したとはいえいじめと同じような行為をしたことへの罪悪感が止まらなかった。



びしょびしょになった私たちを見て直ちに問題騒ぎになって、先生に呼び出されてこう言われた。



『自分がされて嫌だと思ったことは人にしてはいけません』



確かにそうだ。自分は嫌だったし、手を出す相手は人をいじめるようなただのクズだ。


そしてお互いがその言葉の通りにしたら平和になれるだろう。


だけど上手くいかないのがこの世界の道理なのだ。