その1週間後のことだった。
「ただいまー」
「おかえり、沙也加悪いんだけど夕刊ポストに入ってるから取ってくんない〜?」
玄関に入った私は靴を脱ぐ動作をやめ、もう一度家に出てポストの方へと向かった。
「お、あった」
ポストの中を確認すると、お母さんが言ってた夕刊が見つかった。
それを手に取り玄関に戻ろうとしたら、ひらっと何かが私の足元に落ちた。
……封筒? 宛先は書いてないけど、誰なんだろう。
無地の白いシンプルな封筒。
ただ志村沙也加様としか書かれていない。
今すぐに中身を確かめたかったが、暑さの故早く家に入りたい衝動の方が勝ってしまったので、急いで家へと入った。
「はい、夕刊」
「どうもー、夕ご飯あと1時間くらいでできるからね」
「わかった」
私は手紙が気になって、自分の部屋に入った。



