「裏を知った、俺のファンじゃない。
パシリには適役だろ」
「私は嫌よ!」
私がパシリになったら、周りのファンがどうなるか分からないでしょ!?
危険性を考えなさいよ……って利己的な偽王子様には通じない話か。
「でも秘密を守る確証あると思うか?」
「だから守るに決まってるでしょ?」
「棒読みで信用ならねーんだよ」
こいつ、さっき棒読みだったことを根に持ってるのか!
器まで小さい男。
王子様の裏の人格、現実にいたらあかん性格だよ、そういうのは二次元にとどめてくれよ。
しかし……このままだと場に流される。
王子様の……というかパシリ何ぞになりたくない!
何とかして解決策を考えないと。
思案を巡らせながら、ふと制服のポケットに手を入れた。
そして、私はあるものに気づけたのだ。
もしかしたら、パシリ回避できるかもしれない!
これは偶然を感謝するしかない!
「ねえ」
私は王子にすかさず話しかけて、