大体、どうしてアイツなんかにためにこんなことしなくちゃいけないわけ……。
歩夢に怨念を込めながら教室に戻ると、なぜか廊下で王子様が待ち伏せしていた。
「……待ち伏せとか怖いんだけど」
「良いだろ? 一緒に帰りたいだけだ……ってお前、せっかく付けたのに絆創膏しやがったのか」
早速、私の首元に触れてきた。
それと同時に痕を付けられた時の感触を思い出して、 今すぐ立ち去りたくなる。
だけど、その前にやらねばならぬことがある。
「……れの」
「え?」
「誰のせいでこうなったと思ってんのよ!?」
王子の足のすねを思いっきり蹴って自分の鞄を手に取れば、全力疾走で学校から飛び出した。
絶対に王子様には負けない。
だから精々、私を好きになったことを後悔するんだな……!



