「平田は『籠城』してんだろ?」 「ろうじょう?」 「おいどこのだれが9割真面目だと?城に籠る籠城だよ進研ゼミはじめろよマジで」 人差し指で額をドスドスドスと突かれる。 「いたい」 「いたいのは平田の頭」 「物理的にいたい」 「俺も指がいたい」 「じゃあやめてよ」 「賛成」 橋倉の人差し指が私から離れていくの見ながら、私は問う。 「籠城もひきこもりも、結局同じだと思うんだけど」 特に痛くない額を摩る。 橋倉は私の問いに呆れたように目を細める。