暗黒王子と危ない夜【after】


「……、っあ、えっと、」


……むり、いたたまれない。
話す覚悟、ぜんぜんできてない。



本多くんが静かにベッドを下りた。


「相沢さん」

「……っ」


あたしは思わず一歩あとずさる。

だけどすぐに背中が扉にぶつかって逃げ場をなくした。


咄嗟に扉の取っ手を掴もうとすれば「逃げないで」と、静かな声に制される。


直後、そっと手を取られた。

触れた部分から伝わる温度が思いのほか高くて、それがよけいに鼓動を激しくさせる。



「話、聞いてたんだ」

「っ、ごめ……なさい、」

「聞いてたならわかるよね。この前、俺がどんな気持ちで相沢さんと灰田のこと見てたか」