暗黒王子と危ない夜【after】


思わず足を引きかけたけど、灰田くんが背後にいるせいでかなわなかった。


心の準備もまるでできていないまま本多くんの前に立たされて、目を丸くした彼と視線がぶつかる。


「さてもうすぐ夕飯の時間だし、俺たちは帰りますか」


わざとらしく咳払いをして立ちあがった中島くんに続き、三成も部屋を出ていこうとする。


「え……あ、の……三成、」


引き止める声は無視されて、扉が閉まる。

本当に、ふたりきりになってしまった。



「ご、めん、なさい」


なぜか謝罪の言葉が口をついて出る。

本多くんの綺麗な顔がわずかに歪んだ。



「……やられた。ふたりに仕組まれてたのか」