「エナのことは心配してる」
言葉を慎重に選んでいるように聞こえた。
「でも、それだけ」
「本当にか」
「人が悪いな。おれが、自分の善意を仕立て上げるためにエナを利用したって知ってるくせに」
「だったら、萌葉にそう言ってやれ。早くしねぇとほんとに手遅れになるぞ」
胸がきゅ…と狭くなった。
「おれの薄汚いところを……あの子に知られたくない」
指先が震える。
「……、でも、……それでも一緒にいたい」
「だったら本人に言えよ。そこにいるんだし」
本多くんが息をのんだのが気配でわかる。
心臓がドッ…と跳ねた。



