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「遅れてすみません」
そんな声が静寂を破ったのは
今日の、最後の科目────英語が始まって、少し経った頃だった。
幻聴かと思った。
顔をあげて立ち姿を見ても、幻覚かと思った。
あまりに考えすぎたせいで、ついに自分がおかしくなってしまったんじゃないかと。
「本多。なんだ今頃……テスト開始の時間とっくに過ぎてるぞ」
「すみません。だけど確か、開始30分までは入室可……でしたよね。お願いします、受けさせてください」
本多くんの息がわずかにあがっているのがわかった。
鼓動が早まる。
……走ってきたの?



