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テスト当日。
本多くんの席は空いていた。
「結局、あれから1回も来てないよね、本多くん」
付箋がたくさんついたノートに目を通しながら桃香がつぶやく。
───三成がせっかく間をとりもってくれると言ってくれたけど
その日から今日まで、本多くんに会うことはなかった。
三成が連絡しても既読さえつかず、今どこにいるのか、何をしているのか分からないらしい。
やがて朝のホームルームが始まって先生が出席をとり始める。
本多くんの名前が呼ばれても当然返事はない。
本当にこのまま進級できずに、学校をやめてしまったら……。
教科書を開いても考えるのは本多くんのこと。
1限目は生物。
2限目が日本史。
3限目が────英語。



