三成の言いたいことはわかる。
本多くんを心配してるからこそ、こんなに感情的になるんだって。
だけど、あたしに何ができるっていうの……?
ただ本多くんが好きっていう綺麗な感情だけでそばにいられるのなら、そんな幸せなことはないけど。
「三成には、わかんないよ……っ」
逃げるように目を逸らして立ち上がった。
「萌葉」
教壇から降りた三成があたしの前に立つ。
手が伸びてきた。髪に触れて、すくいあげる。
同じ高さで視線が交わった。
それから、──────。
「俺、お前が好きなんだよ」
耳元で低い声。
すぐ近くで三成の明るい髪がさらりと揺れた。
「………、え?」
完全にフリーズした状態で、言葉もなく見つめ合うこと数秒間。
三成の手が、あたしの口元に添えられる。
「お前だって、俺の気持ちわかってなかっただろ」
そんなセリフが聞こえたかと思えば、視界が三成の影で暗くなった。
ここでようやく状況を理解する。
「っ、……みつなり」
寸前のところで声が出た。
声というより、吐息に近い。
すると、三成は小さく笑い声をあげて
あたしから一歩離れた。



