拍手を受けた灰田くんが一歩前に出る。
「新黒蘭、総長、本多七瀬。 副総長、椎葉三成。 総長補佐、兼、特攻隊指揮官長、中島琉生」
耳が痛くなるほどの拍手と歓声が響く。
本多くんを見ると、ひとりだけ目を伏せて何かを考えこんでいるようだった。
中島くんがその様子を横目で捉え、顔をのぞき込む。
ふたりで何度かやりとりをか繰り返したのち、本多くんが静かに立ち上がった。
全員の視線がいっきにそこに集中する。
「総長補佐、兼、指揮官長に灰田恭平。 そして特攻隊長、兼、一番隊隊長に中島琉生を指名する」
灰田くんが驚いた顔で本多くんを見つめた。
「中島は司令よりも実戦向き。灰田は冷静に状況判断ができるし、全体を見る目がある。……それに、おれはずっと灰田と組んでみたいと思ってた」
しばらく黙っていた灰田くんは、やがて表情を引き締め、頭を深くさげた。
「……光栄です、七瀬君」



