不意を突かれて心臓が跳ねる。


「っ、そんなことは……」


そう言いつつも、自分以外の人からそう言われるとやっぱり期待がふくらんでしまう。


少しは自惚れてもいいのかなって。



「……あ、もう集会始まるみたいっすよ」


原野くんが指を差したほうを見ると、半円の形に並べられた椅子に7人が座っていた。
あたしたちギャラリーは5メートルほどうしろで立ち見するかたちになる。


よく見れば、本多くんと中島くんの間がひとつ空いていた。



「あの席って、もしかして三成の……?」

「あ、そうっす。 今日はちょい遅れるって連絡あったらしくて」

「……そっか。家のことが忙しいって言ってたもんね」



席が一つ空いたまま、集会は始まった。


なにかの話し合いをするのだとばかり思っていたら、灰田くんが前に出てきて、あたしたちを含む、その場にいたメンバー全員を見渡した。


そして。



「現、黒蘭構成員及び機関は、これより全て、本多七瀬率いる青藍会の傘下にくだる」



辺りがしん…と静まり返った。



「異議あるヤツは前に出てこい」



なおも沈黙。

けれどその数秒後。

誰もが顔を赤らめ、興奮した空気が生まれる。
どこからともなく拍手が沸き起こった。