どきどき、なんて可愛らしいものじゃない。
激しすぎる鼓動は今にも爆発しそう。
だいたい、自分のことは隠すくせに、あたしだけに言わせようとするなんてひどい話。
あたしも……何を期待してるんだろう。
本多くんには、エナさんがいる、のに。
中島くんは、そういう関係じゃないって言ってくれた。
あのふたりは付き合ってるわけじゃない。
それはわかっていても、本多くんがエナさんをどう思っているのか、わからないから怖い。
本多くんとエナさんは切っても切れない関係だと三成から忠告を受けたことも忘れてない。
たとえ恋愛感情なんかなくても、本多くんとエナさんが今後も会うことがあるなら、───。
ちょっと辛いな、なんて、ずいぶん勝手な不安が襲ってくる。
「相沢さん、」
「……、……」
「こっち見て」
優しい響きに。わけもなく泣きたくなった。



