暗黒王子と危ない夜【after】



表情を曇らせる本多くんの傍らで、あたしは頭にハテナマークを浮かべる。

記憶があいまいすぎて、何があったのかよく思い出せないけど……。


間違っても、


「嫌いには、ならないよ……絶対」


口にして、時間差で体が熱くなる。

黒い瞳に再び囚われる。



「ほんとに?」

「ほんと、に」

「……。結局、まだ返事聞けてなかったよね」



じっと見つめられれば、体が硬直する。



「おれ、……もっと近くにいってもいい?」



あたしだってもっと本多くんに近づきたい……。


甘い視線と声によって、閉じ込めていた気持ちが暴かれる気配がする。

熱が上がって頭のブレーキが緩んでいくのがわかる



「あたしが離れたくないって言ったの、本多くん、知ってる……でしょ?」